事故や災害は予期できない。
地震や豪雨などの災害だけでなく、落雷や降雪による突然の停電。当たり前の日常が当たり前でなくなる瞬間は、誰だって不安でたまらない。
子どもの頃、真っ暗闇で復旧を待ったあの日にやってきた中電工の人は、瞬く間に私のヒーローになった。
私も困っている人たちの役に立ちたい。暗闇に光をともす希望でありたい。
その想いを胸に、私は今、電力供給設備の現場に行く。
送配電工事は、有事に備えてどんなときでも対応できる体制を整えている。地盤の緩んだ災害地、夜間や悪天候の中の作業など、気の抜けない場面も多い。わずかな判断ミスが墜落や感電につながるため、万全の事前準備とチームとの連携が欠かせない。
大規模な被災地での作業の場合は特に、早急に復旧させたい、という思いと、二次災害を引き起こさないための慎重さが必要で、忍耐のいる作業となる。
インフラ設備を守るというのは、思っていた以上にプレッシャーを感じる仕事だった。
それでも、電気が復旧した際のお客さまからの「ありがとう」の言葉と笑顔が、全てを吹き飛ばしてくれる。自分が工事を手掛けた街に明かりがともると、人々の生活を支えているのだとうれしくなる。
中電工は中国エリアの送電線、配電線、電気設備や給排水設備などライフラインに欠かせない分野を長年支えてきた。
私たちには、電力供給によって社会の発展を支えていくという誇りと、それを期待して待っていてくれる人々がいる。
あの日のヒーローのように、人々に安心と笑顔を届けたい。