昼過ぎに起きて、深夜まで友人と語り明かす。規律とは無縁の学生生活を送っていた。
だから、中電工での新入社員研修が合宿生活だと聞いたとき、正直ちょっと面倒だなと思った。
初めて顔を合わす同期の面々は、配属予定の部署も事業場もさまざまだ。学生気分がまだ抜けない中、社会人として必要な知識やマナーを何時間も繰り返し学習する。実際にマットの上に落下してみて、危険を体感する研修もある。
ときに厳しい指摘を受けて、逃げ出したくなる場面もあった。それでも夜、気づけば同期で集まって、たわいもない話をしているうちに、自然と前向きな気持ちになっていた。グループワークでは、自分では思いつかないアイデアを出したり熱く議論を交わす同期たちの姿に大いに刺激を受けた。
同じ時間を過ごす仲間が、自分にとってかけがえのない存在になっていく。学生時代には知らなかった新たな自分を知っていく。二年目研修で再び集まったときにも、同じような感覚を味わうことができた。
それぞれ現場での経験を語り合う中で、自分に足りない部分に気づかされた。悩みを相談するうちに、みんなもまた、同じ悩みを抱え、立ち向かっていることを知り自分も頑張ろう、と気持ちが入れ替わる。
何より、人々の生活を支えるこの仕事の大切さを改めてかみしめる。そして、私は中電工という会社の看板を背負う一人であり、周りには同じ志を持って助け合う仲間がいるのだ、と。
今、目の前でお酒を酌み交わす同期は、初めての大型案件に挑戦している。大変だよ、と話すその横顔は、なんだか輝いて見えた。
負けていられないな。理想の自分に向かって、今日も頼もしい仲間と共に頑張る自分でいたい。